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【実録】岡山市の境界確定|道路幅員4m不足の危機!再建築不可から地域の資産価値を守った舞台裏

公開日:2026年03月13日
著者:日下 一之(宅地建物取引士)|さんぜろ不動産

この記事でわかること

  • 道路幅員「2cm不足」が、なぜ逃げ道のない完全な建築不可を引き起こすのか
  • 「私道→位置指定道路→市道」と認定された道路が、2項道路に戻れない理由
  • 行政(岡山市)との境界確定交渉が難航した経緯と、解決までの全記録
  • 不動産取引において「リスクに気づく力」がなぜ最重要なのか
  • さんぜろ不動産が、お客様の利益のために利益度外視で動く理由

皆さん、こんにちは。
岡山市中区に拠点を置く、さんぜろ不動産の宅地建物取引士、日下(くさか)です。

いつもブログをご覧いただき、ありがとうございます。

突然ですが、こんな話を聞いたことはありますか——

「自分の土地が、知らないうちに ” 完全な建築不可 ” になるところだった・・・」

あなたがまったく知らないうちに、静かに財産の価値が脅かされていることが、不動産の世界では実際に起きています。今回ご紹介するのは、岡山市内の住宅街で起きた「道路幅員2cm不足」という危機の実録です。

そして、これは私たちさんぜろ不動産が常日頃から大切にしていることの、象徴的な一事例でもあります。

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1. 「3.98m」——現場で告げられた衝撃の数値

事の始まりは、岡山市内のある土地の売買に伴う境界確定作業でした。

対象地が接する「岡山市道」は、次のような歴史的経緯を持っています。

  1. もともとは私道だった
  2. 幅員4mの「位置指定道路」として行政に認可された
  3. その後、行政が取得し「岡山市道」として正式に認定された

本来であれば、幅員4mが確保されているはずの道路です。しかし——

「3.98mですね……4mに、2cm足りません」

立会いに来た岡山市地域整備課の職員が現場で計測した数値は「3.98m」。わずか2cmの不足でした。

「たった2cm。それくらい、どうにかなるでしょ?」

多くの方がそう思うかもしれません。私も最初は、「幅員が足りなければ、2項道路(みなし道路)扱いになるのでは」と考えながら、その確認のために市役所の建築指導課へ向かいました。そしてそこで——予想をはるかに超えた事実を告げられることになります。

2. 建築指導課で告げられた「救済なし」の事実——2項道路が適用されない法的根拠

市役所を訪れ、建築指導課の担当者に状況を説明すると、こう告げられました。

「この道路は、2項道路としては扱えません。」

「2項道路」とは何か——。

建築基準法には、幅員4m未満の道路であっても、道路の中心線から両側に2mずつセットバック(後退)することを条件に、建築を認める救済規定があります(建築基準法第42条第2項)。古い路地や幅の狭い道路沿いでも、この「みなし道路」の指定を受けていれば、建て替え時のセットバックで対応できるのです。

しかし今回の道路は、この救済規定が一切適用されない——。その理由は、建築基準法の条文に明確に刻まれていました。

2項道路(みなし道路)の適用対象は、建築基準法が施行された昭和25年(1950年)11月23日の時点ですでに存在し、かつ幅員が4m未満だった道路に限られます。 これはもともと道として使われてきた狭い道を、セットバックという条件付きで救済する規定なのです。

しかし、今回の道路は、まったく異なる経緯をたどっています。

もともと私道だったこの道は、後に行政の審査を経て「位置指定道路(建築基準法第42条第1項第5号)」として正式に認定されました。位置指定道路の認定には「幅員4m以上」が絶対条件です。つまりこの道は、「幅員4mを確保した道路」として建築基準法上の1項道路の地位を与えられた道なのです。その後さらに、行政が取得して「岡山市道(同第1項第1号)」として管理する公道となっています。

建築基準法第42条第2項(2項道路)が対象とするのは「昭和25年以前から存在していた幅員4m未満の道」であり、位置指定道路や市道として1項道路の地位を正式に与えられた道路が後から幅員不足となっても、この救済規定に転換・切り替えする制度は、法律上存在しません。

一度、42条1項道路として認定・管理された道路は、現況の幅員が4mを下回ったとしても「2項道路として扱い直す」ことは法律上できない——建築指導課の担当者は、そう明言しました。

つまり、この道路が「3.98m」と確定してしまえば、セットバックによる救済も、例外的な扱いも、一切認められないこの道路だけにしか面ない土地ではすべて、新築も建て替えも永久にできない「完全な建築不可」となる——。

その言葉を聞いた瞬間、私は全身に緊張が走るのを感じました。

3. 道路沿いの全物件が「建築不可」に!?連鎖する資産価値の崩壊

この「2cm不足=完全な建築不可」が何を意味するか——。

私たちの取引地は「角地」だったため、もう一方の道路が要件を満たしており、今回の売買自体は安全に成立できる状態です。しかし、この道路だけに接しているこの地域の全ての物件の話は、まったく別です。

建築不可が確定すれば——

  • 老朽化しても家が建て替えられない
  • 住宅ローン審査が通らないため、売却先が見つからない
  • 担保価値を失い、既存の融資にも影響が及ぶ可能性がある
  • 土地・建物の資産価値が大幅に下落する

近隣住民の方々は、ご自身の財産が静かに失われていくことを、知る術さえなかったはずです。

4. なぜ、利益度外視で動いたのか——
担当者の「気づき力」が、不動産取引の明暗を分ける

ここで一つ、正直にお伝えしたいことがあります。

「不動産屋はどこも同じ、誰に頼んでも同じ」——そう思っている方は少なくないかもしれません。
しかし、不動産取引の現場における現実は、まったく異なります。

会社が違えば、担当者が違えば、宅地建物取引士が違えば——
経験値も、気づき力も、判断力も、リスクへの感度も、すべて違います。

そもそも不動産取引において、まったく同じ条件の物件はこの世に一つとして存在しません。だからこそ私は、どんな取引においても「どこかに盲点が潜んでいるのではないか」と神経を研ぎ澄ませながら調査に臨みます。そして万が一、盲点を発見した場合は、それを一つひとつ丁寧に解消していく——それが私の仕事への向き合い方です。今回はその典型的な一例ですが、こうしたリスクは特別な物件だけの話ではなく、ごく普通に見える日常の取引の中にこそ、静かに潜んでいるものです。

私はこれまで長くこの業界に身を置き、上司・同僚・部下、多くの不動産のプロたちと共に仕事をしてきました。その経験の中で、はっきりと感じてきたことがあります。——こうしたリスクに「気づける」人間は、この業界においても、決して多くない。

今回の「3.98m」という数値を前に、どれだけの業者が「行政の判断だから仕方ない」と現状を受け入れたでしょうか。そしてどれだけの担当者が、「この道路に2項道路が適用されない」という法的事実に辿り着けたでしょうか。

私がこのリスクに気づき、動けたのは、30年以上にわたって積み上げてきた、異業種を横断する実務経験があったからだと思っています。外資系金融での融資審査、国内最大手の保険調査会社で保険調査業務(警察とも連携)、事業責任者として赤字会社を黒字化した経営経験——そうした「修羅場」の積み重ねが、目の前の裏に潜むリスクの正体を見抜く力になっています。

さんぜろ不動産は、お客様の目の前の取引を完了させるだけの会社ではありません。お客様が気づかないところで、いつもお客様とその地域の利益が守られるよう、動き続けています。

不動産取引において、最も大切なことは「リスクに気づけるかどうか」です。そして気づいたなら——たとえそれが自社の利益と無関係であっても、そのリスクをいかに回避し、いかに対処するかを考え、行動すること。 それが、私たちの仕事の本質です。

行政との交渉は、さんぜろ不動産の売買とは一切関係のないことでした。それでも、私(日下)も、社長の小原(こはら)も、岡山で生まれ育った地元の人間として、不動産取引を通じて、この街に暮らす方々に幸せになってほしい——その想いが、日々の仕事の原点にあります。その私には、目の前の危機を見過ごすことはできませんでした。

「今、動かなければ、この住宅街の未来が守れない。」

その一心で、何度も地域整備課に足を運びました。

5. 行政が立ちはだかる「組織の壁」と、誠意の訴え

しかし行政には、組織として守るべき「基準の壁」がありました。

私:「過去に幅員4mの位置指定道路として認可され、市が引き継いだ道です。歴史的経緯を踏まえ、幅員4mとして扱うべきではないでしょうか!」

地域整備課:「現地の測量値が3.98mである以上、道路管理者としては、事実に基づいた判断をせざるを得ません。」

建築指導課:「地域整備課が幅員不足と判断した場合、建築基準法上の道路とは認められなくなります。」

各部署がそれぞれの責任において適正に動こうとするがゆえに、部署をまたいだ調整は難航を極めました。

私が訴え続けた根拠は、3つです。

  • 過去に位置指定道路として幅員4mで認定された、公的な経緯があること
  • 行政が市道として取得した際の、道路管理者としての責任
  • 「誠実に生きている住民を、知らぬ間に路頭に迷わせるような判断をすべきではない」という正論

そして最終的に、私は心からの想いを言葉にしました。

「行政の皆様の本来の役割は、市民が安心して暮らせる環境を整え、大切な財産と権利を守ることにあると思います。ここにおられる皆様は、厳しい研鑽を積んでこられた知恵あるプロフェッショナルです。過去の経緯を丁寧に紐解き、共に知恵を出し合えば、住民が困ることのない、より良い解決策が必ずあるはずです。岡山市と住民の未来のために、どうか再考をお願いいたします!」

もしここで道が開けなければ、あらゆる公的制度を駆使してでも解決の道を探る——そんな決意を胸に秘めながら、誠実な言葉に変えて届けました。

6. ついに解決——「幅員4.0m」として認定

数日後、一本の連絡が入りました。

「……慎重に検討を重ねた結果、当時の認可経緯等を踏まえ、今回は幅員4.0mを確保しているものとして取り扱うことに決定しました。」

その声を聞いた瞬間、全身の力が抜けました。

2cmの壁を突破した——
それは単に一軒の売買を成立させたということではなく、「この地域全体の資産価値を守り抜いた」瞬間でした。

7. お客様が知らないところで、いつもあなたの利益を守っています

今回、近隣の住民の方々は、ご自身の財産が危機に瀕していたことも、私たちが解決のために走り回ったことも、おそらく一生知ることはないでしょう。

それでいい、と思っています。

不動産の仕事とは、単に仲介をしたり契約書を作成することではありません。

  • 登記簿の裏にある歴史を読み解くこと
  • 行政の判断に疑問を持ち、最善の解決策を模索すること
  • たとえ利益にならなくても、誰にも知られなくとも、お客様とその地域の未来を守ること

さんぜろ不動産は、今回だけでなく、お客様が気づかないところで、いつもお客様の利益が守られるよう動いています。

不動産取引で最も大切なことは、リスクに気づくかどうかです。そしてそのリスクを、いかに回避し、いかに対処するか——その積み重ねこそが、私たちの存在意義であり、絶対に譲れない仕事の核心です。

さんぜろ不動産は、いつもあなたの味方です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 位置指定道路や市道は、なぜ2項道路として扱われないのですか?

建築基準法第42条第2項(2項道路・みなし道路)の救済規定は、「建築基準法施行時(昭和25年11月23日)にすでに存在していた幅員4m未満の道」を対象とするものです。これは昔から使われてきた狭い道を、セットバックという条件付きで救済するための規定です。一方、位置指定道路(同第1項第5号)は「幅員4m以上」を認定の絶対条件とする1項道路であり、市道(同第1項第1号)も同様です。これらは「4mを確保した道路」として法的地位を与えられた1項道路であるため、後から現況幅員が4mを下回ったとしても、2項道路へ転換・切り替えする制度は法律上存在しません。幅員不足が確定した場合は、セットバックによる救済の余地がない「建築不可」の道路となります。

Q2. 道路幅員が問題になると、具体的にどんな影響がありますか?

接道する道路が建築基準法上の道路と認められなくなると、その道路だけに接している土地・建物はすべて「再建築不可」となります。老朽化しても建て替えができず、住宅ローン審査も通らなくなるため売却が著しく困難になり、資産価値の大幅な下落は避けられません。

Q3. 境界確定とは何ですか?なぜ不動産売買に必要なのですか?

境界確定とは、隣接する土地や道路との正確な境界線を、土地家屋調査士・測量士が測量し、関係者(隣地所有者・行政など)の立会いのもとで公式に確認・確定する手続きです。境界が不明確なまま売買すると、面積の誤り・越境、今回のような道路幅員問題などのトラブルが発生するリスクがあります。不動産売買において、取引の安全性を担保する最重要プロセスのひとつです。

Q4. 自分の土地の道路に問題がないか、事前に確認できますか?

登記簿謄本・公図・道路台帳(行政窓口で閲覧可能)を調べることで、接している道路の種別や幅員をある程度把握できます。ただし今回の事例のように「公式記録と現地の実測値が食い違う」ケースや、認定の種別によって適用される法律が異なるケースも存在します。購入・売却を検討される際は、必ず専門家(宅地建物取引士)に依頼して調査することをお勧めします。

Q5. 道路幅員の問題は、売り手にも影響しますか?

はい、大きく影響します。接道する道路に幅員の問題があると、買い手がローン審査を通過できないため売却自体が成立しにくくなります。また、問題を把握せずに売却した場合、後から責任を問われるリスクもあります。売却前に専門家による事前調査とリスクの洗い出しを行うことが、スムーズな取引とトラブル回避につながります。

Q6. 今回のような「隠れたリスク」は、よくあることですか?

残念ながら、不動産取引の現場では珍しくありません。道路幅員の問題のほか、越境(隣地への構造物のはみ出し)、地中埋設物(古い廃材・浄化槽など)、接道義務の未達、土壌汚染リスクなど、登記簿や物件情報だけでは見えない「隠れたリスク」が多数存在します。さんぜろ不動産では、こうしたリスクを事前に発見し、適切な対処をご提案することを、最も大切な仕事のひとつと考えています。


この記事を書いた人

日下 一之(くさか かずゆき)|宅地建物取引士 / 専務執行役

昭和42年、岡山生まれ。高校卒業後に上京し、投資用マンション営業の最前線で腕を磨いた後、地元・岡山へ。帰郷後は外資系金融・保険調査・不動産経営と、異業種の最前線を渡り歩き、30余年のキャリアを積む。

・投資用マンション営業で培った「収益物件の目利きと提案力」
・融資審査の経験から生まれる「銀行目線の資金計画」
・保険調査業務で養われた「リスクを見抜く目」
・不動産の事業責任者として赤字会社を黒字化した「経営と実務の両輪」

それぞれの現場で磨き抜いた知識と経験のすべてを、中学時代の同級生・小原美和代表と共に立ち上げた「さんぜろ不動産」で、お客様の不動産取引の「正解」へと変えることを使命としている。

「不動産屋はどこも同じ」ではない。その違いが、あなたの大切な財産を守るか否かを分ける。

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さんぜろ不動産 STAFF
(左:尾川 / 中:小原 / 右:日下)

まとめ:岡山の不動産のことなら、さんぜろ不動産へ

道路幅員・境界確定の問題は、一見すると難解で面倒なものに見えます。しかし、そこにはお客様の大切な財産と、地域の未来が詰まっています。

「自分の土地の道路に問題がないか不安」
「境界確定で困っている」
「売却前にリスクを洗い出したい」

そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度さんぜろ不動産にご相談ください。
私たちは、いつもあなたの味方として、岡山市の不動産の未来のために、最後まで誠実に走り抜きます。

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岡山県岡山市中区浜一丁目19番31号
宅地建物取引士:日下 一之(くさか かずゆき)
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営業時間:10:00〜19:00|定休日:火・水曜日
フリーダイヤル:0120-128-030


参考リンク:

建築基準法 第42条(道路の定義・2項道路)
位置指定道路について(建築基準法第42条第1項第5号)/建築基準法上の道路について(岡山市)
岡山市中区役所・地域整備課(道路管理)
建築基準法道路関係規定運用指針(国土交通省)

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