皆さん、こんにちは。
岡山で不動産の売却をサポートする、さんぜろ不動産の宅地建物取引士、日下(くさか)です。
【連載 第3回】
前回の記事では、解体工事の前に絶対に確認すべき「不用品の片付け」についてお伝えしました。
家の中が空っぽになったら、いよいよ実際に建物を壊す「解体業者」を選ぶ段階です。
「ネットで『解体 格安』と検索して、一番安いところに頼めばいいや」
「間に業者を挟むと高くなるから、自分で探した方がお得でしょ?」
ちょっと待ってください。その「安さ」だけで選ぶ判断が、後にとんでもないトラブルを招く可能性があります。
はっきり申し上げますが、知識のない一般の方が、安易に格安業者を自分で探すことは全くおすすめしません。
解体業界には、残念ながら不法投棄や不当請求を行う業者が存在します。
プロである不動産会社を通すべき最大の理由は、「不動産会社の評判」がかかっているため、変な業者を絶対に紹介しないからです。
今回は、適正な費用の相場、悪徳業者の手口、そして見積書で身を守る方法まで、業界の裏側を徹底的に解説します。

しかし、この記事で解説する「マニフェスト確認」と「見積書のチェック」を実践すれば、これらのリスクはすべて回避できます。
現在、記事の内容をより分かりやすく解説する番組を制作中です。ここでは書けない業界の裏話なども公開予定。
👉 動画で見る(プレイリストはこちら)
※今のうちにチャンネル登録をお願いします!
| 回数 | タイトル | この回のゴール |
|---|---|---|
| 第1回 | 解体か放置か?損しない判断基準と税金 | 解体の判断基準を理解し、放置リスクを知る |
| 第2回 | 解体前の片付け「捨てるな」!不用品処分の鉄則 | 片付けの壁を乗り越え、親族全員が納得する準備を整える |
| 第3回(👈 今回) | 解体費用の相場と罠!安すぎる業者の見抜き方 | 適正価格を知り、悪徳業者を避ける |
| 第4回 | 解体トラブルで賠償!? 着工前の「境界」確認 | トラブルを防ぐチェックリストを確認する |
| 第5回 | 解体後の整地で売値激変!真砂土と地中の罠 | 物件価値を最大化し売却へ |
第2回では、「解体前の片付け」について解説しました。家の中の荷物を「ゴミ」ではなく「資源」としてリユースすることで、費用を抑えられるとお伝えしました。
今回は、家が空っぽになった後の「建物の解体」について、費用の核心に迫ります。
第3回を読む前に、あなたの重視するポイントを確認してください。
Q1. 解体費用の見積もりは取りましたか?
A) まだ取っていない
B) 数社取って比較中だが、価格差が激しい
C) 一番安い業者に決めようとしている
Q2. あなたが業者に求める最優先事項は?
A) とにかく「安さ」
B) 近隣トラブルが起きない「安心」
C) 次の売却につながる「品質」
Q3. 「マニフェスト」という言葉を知っていますか?
A) 知らない
B) 聞いたことはあるが、意味はよくわからない
C) 知っているし、確認するつもりだ
(安さ最優先+知識不足)
この段階のあなたは、悪徳業者のカモになりやすい状態です。自分で探した「格安業者」に依頼するのは非常に危険です。
👉 次の一歩: この記事の「安すぎる見積もりの罠」を熟読
👉 推奨行動: 信頼できる不動産会社に紹介を依頼する
(比較検討中+決め手がない)
見積もりの金額差に戸惑っていませんか? 高いには高いなりの、安いには安いなりの「根拠」があります。
👉 次の一歩: 「岡山エリアの適正相場」を確認
👉 推奨行動: 「付帯工事」が含まれているか内訳をチェック
(品質重視+知識あり)
素晴らしいです。さらに売却価格を上げるためのテクニック「真砂土整地」を取り入れれば、完璧です。
👉 次の一歩: 「真砂土整地」について確認
👉 推奨行動: 整地後の仕上がりイメージを業者と共有する
解体費用は「定価」がないサービスですが、基準となる「相場」は存在します。ここを理解しておかないと、見積もりが高いのか安いのか判断できません。
費用の全体像は、以下の4つの要素で構成されます。
岡山エリアは全国平均と比べて「やや安い」傾向にあります。これは、市内に処分場が多く運搬コストが低いことや、業者の競争が激しいことが理由です。しかし、適正価格を下回る見積もりには注意が必要です。
| 建物の構造 | 坪単価の目安 | 30坪の場合 | 40坪の場合 | 50坪の場合 |
|---|---|---|---|---|
| 木造住宅 | 3.4万〜4.5万円 | 102万〜135万円 | 136万〜180万円 | 170万〜225万円 |
| 鉄骨造 | 3.7万〜6.0万円 | 111万〜180万円 | 148万〜240万円 | 185万〜300万円 |
| RC造 (鉄筋コンクリート) | 6.0万〜11.0万円 | 180万〜330万円 | 240万〜440万円 | 300万〜550万円 |
※上記は「建物本体」の解体費用です。これに以下の「変動要因」「付帯工事費」が加算されます。
同じ坪数でも見積もりが50万円以上変わることがあります。その理由は主に以下の3点です。
多くのトラブルは、この「付帯工事」が見積もりに入っていないことで発生します。以下の項目がある場合は、必ず追加費用がかかります。
| 項目 | 費用相場 | 備考・注意点 |
|---|---|---|
| ブロック塀の撤去 | 3,000円〜5,000円 / m | 高さや厚み、基礎の深さによって変動 |
| 物置・カーポート撤去 | 3万円〜10万円 / 基 | サイズや材質(鉄製・アルミ製)による |
| 庭木の伐採・撤去 | 5,000円〜3万円 / 本 | 根っこ(抜根)まで取る場合は高くなる |
| 庭石の撤去 | 1万円〜5万円 / 個 | 大きさや重量による。処分費が高額 |
| 井戸の埋め戻し | 5万円〜30万円 / 本 | お祓い(息抜き)の費用を含む場合あり |
| 浄化槽の撤去 | 5万円〜15万円 / 基 (FRP製の場合) | RC製(コンクリート)の場合は10〜50万円と高額になる |
| アスベスト処理 | 50万円〜100万円以上 | 含有量や建材の種類による。事前調査必須 |
| 真砂土整地 | 15万円〜30万円 | 売却価値向上のため推奨(後述) |
上記を合計すると、最終的な見積もりは以下のようになります。
■ 計算式
建物本体(136〜180万円) + 付帯工事(30〜80万円) + 真砂土整地(15〜30万円)
= 総額 181万円 〜 290万円
※別途、家財道具の処分費が必要です。
もし相場より明らかに安い(例:木造30坪で80万円など)見積もりが出たら、喜ぶ前に警戒してください。その安さの裏には、「不法投棄」や「不当な追加請求」などの違法行為が潜んでいる可能性が高いです。
業者が廃材を正規の処理場に運ばず、山林に捨てることで処分費を浮かせる手口です。発覚した場合、業者だけでなく、施主(あなた)も責任を問われることがあります。
| 対象 | 罰則内容(廃棄物処理法) |
|---|---|
| 業者 (実行犯) | 5年以下の懲役 または 1,000万円以下の罰金 (法人の場合は3億円以下の罰金) |
| 施主 (あなた) | 管理責任を問われ、現状回復(ゴミの撤去費用)を命じられる可能性あり。 警察から事情聴取を受ける精神的負担も甚大。 |
【実例】山梨県での不法投棄事件(2019年)
解体業者が廃材を山林に投棄した事件では、施主も警察から事情聴取を受けました。施主は「知らなかった」とされましたが、もしマニフェスト(管理票)の確認を怠っていたと判断されれば、共犯とみなされるリスクがありました。
最初は安く見せて契約し、工事が始まってから「予想外のゴミが出た」と言って高額請求する手口です。
悪徳業者は、施主が「もう工事が始まっているから断れない」という心理を悪用します。
「総額」だけでなく「内訳」を見ることが重要です。以下は、岡山市南区で行った実際の適正見積もりです。
| ① 建物本体解体 | 160万円 | @4万円×40坪 |
| ② ブロック塀撤去 | 15万円 | 15m分 |
| ③ 庭木・庭石撤去 | 8万円 | 松の木など2本 |
| ④ 浄化槽撤去 | 12万円 | 5人槽・埋め戻し込 |
| ⑤ 廃棄物運搬・処理費 | 30万円 | マニフェスト発行込 |
| ⑥ 真砂土(まさど)整地 | 20万円 | ★売却成功の鍵 |
| ⑦ 諸経費 | 20万円 | 重機回送費・保険料など |
| 合計(税込概算) | 約 265万円 | 坪単価:約 6.6万円 (総額 ÷ 40坪) |
業者選びで失敗しないために、発注前に以下のポイントを確認してください。
解体工事では「契約書」を作らず、「見積書」が契約書代わりになることが多いため、見積書のチェックが命です。
⚠️ これが「魔法の質問」です。「え?発行しないよ」や「後でね」と濁す業者は、不法投棄のリスク大です。必ず「E票(最終処分終了票)」まで確認しましょう。
トラブルを防ぐために、見積書に以下の文言が入っているか(または除外されているか)を確認してください。
電話やメールだけで「坪〇万円です」と見積もりを出す業者は危険です。
道路の幅、隣家との距離、建物の構造を実際に目で見なければ、正確な金額は出せません。「現地を見ずに安値を提示し、後から追加請求する」のが悪徳業者の常套手段です。
解体後の土地の状態には、2種類あります。「ガラ混じりの更地」と「真砂土整地された更地」です。
単に建物を壊して地面を均すだけでなく、最後に綺麗な「真砂土(花崗岩が風化した土)」を5cm程度敷き詰めて転圧します。
さんぜろ不動産では、基本的にこの「真砂土整地」を標準提案しています。
解体費用を適正価格に抑えるためには、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」が基本です。
ただし、単に金額だけを見るのではなく、「見積もりに含まれる項目(付帯工事や整地など)」が同じ条件かどうかも必ず比較してください。
もし、解体後の土地を「売却」する予定であれば、ご自身の判断だけで解体を進めることはお勧めしません。
【理由】
解体工事は「壊せば終わり」ではありません。スムーズに売却するためには、以下のような不動産取引特有の判断が必要になるからです。
これらは一般の方や、解体専門業者だけでは判断が難しいポイントです。
「解体した後に相談したら、やり直しが必要で余計な費用がかかった…」とならないよう、解体前にまず私たち(不動産会社)にご相談いただくのがベストです。
「間に業者を挟むとマージン(手数料)がかかるから、自分で直接頼んだ方が安い」
そう思ってネット検索で業者を探す方がいますが、これは非常にリスクの高い行為です。
もし、私たちが紹介した業者が不法投棄や不当な追加請求をしたらどうなるでしょうか?
当然、お客様は「変な業者を紹介した不動産会社」として、私たちを信頼しなくなります。悪い噂はすぐに広まります。
つまり、不動産会社にとって「悪徳業者を紹介するメリット」は一つもありません。自社の信用を守るためにも、私たちは厳しく選別した「安全な業者」しか紹介しないのです。
さんぜろ不動産では、地場の優良解体業者と提携しています。私たちが間に入ることで、万が一のトラブル時もお客様に代わって業者と協議・調整を行います。
紹介料や中間マージンは一切いただいておりません。
お客様は「適正価格」で「最高の安心」を手に入れることができます。
条件によっては、自治体から補助金が出る場合があります。岡山市の場合、以下のような制度があります(※年度により予算枠あり)。
※申請は「工事契約前」に行う必要があります。さんぜろ不動産では、補助金の対象になるかの調査も代行しています。
さんぜろ不動産では、県外在住の相続人向けに、「オンライン+現地代行」のハイブリッドサポートを提供しています。
あなたのゴールは「ただ壊すこと」ですか?それとも「高く売ること」ですか?
| プラン | 内容 | 結果(メリット・デメリット) |
|---|---|---|
| 最低限プラン (安さ重視) | ・建物のみ解体 ・整地はガラ混じりの粗整地 | 費用は抑えられるが、買主からの印象が悪く、解体費以上の値引き交渉をされるリスクが高い。 |
| 理想プラン (売却重視) | ・建物+ブロック塀+植栽全撤去 ・真砂土整地仕上げ | 初期費用は+20万円ほどかかるが、早期売却・満額成約の確率が格段に上がる。 |
Q1. 解体工事中、地中から昔の瓦やコンクリートが出てきたらどうなりますか?
A. 「地中埋設物」として、追加処分の費用がかかります。
これは事前に予測することが難しいため、通常は見積もり外です。ただし、悪徳業者はこれを口実に法外な金額を請求することがあるため、出た瞬間に「写真を撮って報告」してもらうよう契約時に約束しましょう。
Q2. 庭木や庭石は残しておいた方が、買主が喜ぶのでは?
A. 基本的には「全撤去」をお勧めします。
今の購入層は、手入れが大変な庭木や、配置に困る庭石を嫌う傾向にあります。何もない更地の方が、新築プランが立てやすく人気です。
Q3. 解体したら「建物滅失登記」が必要と聞きましたが?
A. はい、解体後1ヶ月以内に法務局へ申請が必要です。
怠ると10万円以下の過料がかかる場合があります。ご自身で行うことも可能ですが、土地家屋調査士に依頼するのが一般的です(費用4〜5万円程度)。さんぜろ不動産で手配可能です。
Q4. ブロック塀は残すべきですか?
A. 状態によります。
新しい綺麗なブロックなら「境界」として残す価値がありますが、古くて傾いているものは「危険工作物」とみなされ、解体費用の値引き対象になります。基本的には撤去してすっきりさせる方が売れやすいです。
Q5. 井戸があるのですが、どうすればいいですか?
A. そのまま埋めるのはNGです。
古くからの習わしとして、神主さんによる「お祓い(息抜き)」をしてから、砂で埋め戻すのが一般的です。費用は数万円程度です。
この記事では、以下の5点を解説しました。
解体業者が決まり、いよいよ更地になったら、最後は「売却」です。
しかし、解体直後や工事中に発覚する「地中埋設物」や、隣地との「境界トラブル」が、売却の足を引っ張ることがあります。
次回は、解体前にやっておかないと取り返しがつかない「解体前の5つのチェックリスト」について深掘りします。
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