皆さん、こんにちは。
岡山で不動産の売却をサポートする、さんぜろ不動産の宅地建物取引士、日下(くさか)です。
「実家が空き家になって、もう3年…。そろそろどうにかしないといけないとは思っているんだけど」
そんなご相談を、毎月何件もいただきます。 「壊すと固定資産税が上がると聞いた」「費用が心配」「兄弟と意見が合わない」——理由はさまざまですが、一番多いのは正直、「何から手をつければいいのか分からない」という戸惑いです。
この連載は、そんな方のために書きました。
「失敗しない建物解体と不動産売却」をテーマに、全5回でプロが包み隠さずお伝えします。
第1回は、すべての出発点となる2つのテーマ。
「解体すべきかどうかの判断基準」と「空き家を放置することで起きる6つのリスク」です。

この回の内容は動画でも解説しています。
▶ 【動画で見る】解体か放置か?判断基準と税金 👉 プレイリストはこちら
正しい順序で動けば、これらはすべて防げます。
| 回数 | タイトル | この回のゴール |
|---|---|---|
| 第1回(👈 今回) | 解体か放置か?損しない判断基準と税金 | 解体の判断基準を理解し、放置リスクを知る |
| 第2回 | 解体前の片付け「捨てるな」!不用品処分の鉄則 | 片付けの壁を乗り越え、親族全員が納得する準備を整える |
| 第3回 | 解体費用の相場と罠!安すぎる業者の見抜き方 | 適正価格を知り、悪徳業者を避ける |
| 第4回 | 解体トラブルで賠償!? 着工前の「境界」確認 | トラブルを防ぐチェックリストを確認する |
| 第5回 | 解体後の整地で売値激変!真砂土と地中の罠 | 物件価値を最大化し売却へ |
表向きの理由は「時間がない」「費用が心配」でも、根っこには2つの大きな壁があります。
① 「見た目」の壁——現実的な障害
古い家具、大量の荷物、伸び放題の庭木、朽ちた塀。「このままでは売れない」と分かっていても、どこから手をつけていいか分からない。片付ける気力も湧かない。
放置していると、こんなことが起きます。
さんぜろ不動産では提携の遺品整理・買取業者をご紹介しており、時には、買取金額が処分費用を上回る(実質プラス)ケースもあります。
② 「気持ち」の壁——心理的な抵抗
「親が大切にしていた家を、自分の判断で壊していいのだろうか」
この罪悪感は、誰もが持つ自然な感情です。また、「長男は残したい、次男は早く現金化したい」といった兄弟間の意見の違いも、大きな足かせになります。
私たちは、この「モノとココロの整理」を最初のステップとして重視しています。単なる不動産屋ではなく、後悔しない選択への伴走者として関わるのが、さんぜろ不動産のスタンスです。
感情だけでも、数字だけでも決められないのが解体の判断です。
以下の3パターンで、あなたの物件がどれに当たるかを確認してください。
旧耐震基準の建物は、買主にとってデメリットしかありません。住宅ローンが組みにくく、地震保険料も割高。古家付きのまま売り出せば「解体費用200万円を引いてほしい」という値引き交渉は避けられません。
一方、売主が先に解体して更地にすれば、新築を建てたい買主が現れ、早期・高値売却が実現します。
【実例】岡山市北区のDさん(55歳・東京在住)
旧耐震の木造住宅を解体後に売却。解体費用280万円を負担したが、売却価格が380万円上昇。
手取り額は+100万円、売却期間は6ヶ月から1ヶ月に短縮。
木造住宅の法定耐用年数は22年。築25年を超えると、建物の市場価値はほぼゼロとみなされます。残したまま売ると「リフォーム費用300〜600万円を見込んで値引きしてほしい」という交渉が入ります。事前に解体すれば、その交渉を丸ごと回避できます。
【実例】岡山市南区のEさん(58歳・大阪在住)
築32年の木造住宅を解体後に売却。解体費用120万円を負担したが、売却価格が270万円上昇。
手取り額は+150万円にアップ。
現行耐震基準を満たしており、リフォーム費用も比較的抑えられます。ただし、立地の需要は必ず確認してください。駅近など好立地の場合、更地にした方が新築希望者が集まり、高く売れるケースもあります。
「解体費用がもったいない」「いつか売れるだろう」——その判断が、気づかぬうちに損失を膨らませます。
① 固定資産税が最大6倍に
「特定空家」に指定されると住宅用地特例が外れます。年8万円だった税額が、48万円になった事例があります。
② 放火・失火で数千万円の賠償
空き家から出火して隣家に延焼した場合、所有者に賠償責任が発生します(過去に約2,300万円の賠償命令事例あり)。
③ 倒壊・崩落による責任
通行人にケガをさせた場合、民事・刑事責任(5年以下の懲役など)が問われます。
④ 土地評価額の下落
5年放置するだけで、イメージ悪化により約200万円の価値下落リスクがあります。
⑤ 解体費用の増加
シロアリや腐食が進むと倒壊の危険があり、慎重な作業が必要になります。費用は数十万円増加します。
⑥ 維持費の累積
草刈り、税金、保険などで、5年間で約100万円の出費になります。
| 項目 | 損失額 |
|---|---|
| 土地評価額の下落 | −200万円 |
| 維持費の累積 | −100万円 |
| 解体費用の増加 | −50万円 |
| 特定空家の追加課税など | −95万円 |
| 合計 | −445万円 |
「まず何から始めればいい?」という疑問に、2つのプランでお答えします。
義務を果たし、最低限のトラブルを回避するプランです。
売却トラブルゼロ。土地の価値を最大化するプランです。
さんぜろ不動産では、岡山に来られない相続人の方向けに、ハイブリッドサポートを提供しています。
東京・大阪・福岡在住の方など、遠方からのご依頼を多数いただいています。
Q. 解体費用は誰が負担するのですか?
原則として売主(所有者)が負担します。ただし、売却代金から差し引いて精算する方法や、岡山市の補助金(上限50万円・条件あり)を活用する方法もあります。
Q. 県外在住ですが、一度も帰省せずに売却できますか?
できます。Zoomや電子契約を活用し、一度も帰省せずに完結されたお客様も多数いらっしゃいます。
Q. 「古家付き土地」として売る場合、解体費用は値引きされますか?
される可能性が高いです。買主は解体費用200〜300万円を見込んで値引き交渉するケースが一般的です。事前に解体すれば、そのリスクを回避できます。
Q. 相続人が複数いる場合、全員の同意が必要ですか?
売却には全員の同意が必要です。意見が割れている場合は、私たちが第三者として間に入り、査定額・維持費などの客観的なデータを提示して調整をサポートします。
Q. 今すぐ売る予定はないのですが、相談できますか?
もちろんです。「いずれ売却するかもしれない」という段階での現状リスク診断や将来のシミュレーションも、無料で行っています。
この記事では3つのことをお伝えしました。
解体の決心がついても、多くの方が次に直面するのが「家の中の大量の荷物」です。この片付けの手順を間違えると、数十万円単位で損をすることをご存知ですか?
次回は、解体前の最大のハードルである「不用品の片付けと親族トラブルの防ぎ方」を解説します。
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