皆さん、こんにちは。
岡山で不動産の売却をサポートする、さんぜろ不動産の日下(くさか)です。
「相続した実家、解体すべきかどうか悩んでいる」
「建て替えを考えているが、解体費用が心配」
「空き家を放置しているが、このままで大丈夫だろうか…」
このような不安を抱えている方は、とても多いです。しかし、多くの方が「解体すべきか」という判断だけに目を向けがちで、「解体後に売主が負うリスク」や「買主が本当に求めている土地の状態」までは考えていません。
実は、解体の判断を誤ると、以下のような深刻な問題が発生します。

建物の解体と売却は、単なる「不動産取引」ではなく、「売主のリスク管理」と「買主の満足度向上」を両立させる戦略が必要です。
さんぜろ不動産では、「モノとココロの整理」を最初のステップとして、売主のリスクを最小化しながら、買主に気持ちよく購入していただける状態を作り上げます。その結果、物件価値が最大化し、値引き交渉を抑えながら高値売却が実現します。
今回のシリーズ【全5回】では、建物の解体から不動産売却まで、他では語られない実務の深部まで、徹底的に解説します。
このシリーズの内容を、動画でさらに詳しく解説しています。実際の現場写真、解体業者との打ち合わせの様子、売却成功事例のインタビューなど、文字では伝えきれない情報が満載です。
📺 YouTube:不動産攻略チャンネル
[https://www.youtube.com/playlist?list=PLRjE5hz1Nuc3Bl6mEKSbgvDDalaObTpva]
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| 回数 | タイトル | 内容概要 |
|---|---|---|
| 【第1回】 | 失敗しない建物解体と不動産売却―解体の判断基準と放置する6つのリスク | 解体の判断基準/放置リスク6種/古家付き土地の選択肢/さんぜろ不動産の戦略 |
| 【第2回】 | 失敗しない建物解体と不動産売却―解体前に絶対確認すべき5つのポイント | 境界線/擁壁・水路/ライフライン/アスベスト/近隣挨拶/買主視点の重要性 |
| 【第3回】 | 失敗しない建物解体と不動産売却―解体業者の選び方と費用の真実 | 岡山の適正相場/安すぎる業者のリスク/マニフェスト/補助金/売主を守る契約書 |
| 【第4回】 | 失敗しない建物解体と不動産売却―地中埋設物と整地の重要性 | 地中埋設物の法的責任/整地の種類と効果/真砂土整地/買主が求める土地の状態 |
| 【第5回】 | 失敗しない建物解体と不動産売却―不用品処分と親族調整の進め方 | 不用品のリスク/親族間調整3つのコツ/売却7つの鉄則/ワンストップサポート |
→ 今回は【第1回】です
読了時間:約8分
建物の解体や不動産の売却がなかなか進まない理由は、表面的には「時間がない」「費用が心配」ですが、その根底には2つの大きな壁があります。
古い家具、大量の荷物、庭の雑草、朽ちた塀…。「このままでは売れない」と感じても、片付ける気力が湧かない。どこから手をつければ良いのか、誰に頼めば良いのか、分からない。
実は、この「見た目」の問題を放置すると、以下のような深刻なリスクが発生します。
さんぜろ不動産では、提携の遺品整理業者・買取業者を紹介し、「買取金額が処分費用を上回る」ケースを数多く実現しています。実際、骨董品・着物・家具などで50万円以上の買取になった事例も少なくありません。
親が暮らした家を壊すことへの罪悪感。「親が大切にしていた家を、自分の判断で壊して良いのだろうか」という迷い。
兄弟姉妹や親族の意見の違い。長男は「親の家を残したい」、次男は「早く現金化したい」、長女は「もっと高く売れるまで待つべき」と、それぞれの思いがすれ違う。
「誰が費用を負担するのか」という金銭的な不安。解体費用は数百万円かかるため、相続人の間で「誰がいくら出すのか」が曖昧だと、話が進まない。
さんぜろ不動産では、この「モノとココロの整理」を最初のステップとして重視しています。なぜなら、この2つの壁を乗り越えない限り、どんなに良い売却戦略を立てても、実行に移せないからです。
私たちは、単なる「不動産仲介業者」ではなく、「あなたの伴走者」として、感情と現実のバランスを取りながら、後悔しない売却への道筋を一緒に考えます。親族間の調整が必要な場合は、第三者として同席し、客観的なデータを提示しながら、全員が納得できる方向を探ります。
解体の判断は、感情だけでも、数字だけでも決められません。建物の状態、立地の需要、市場の動向、相続人の状況を総合的に判断する必要があります。
なぜ解体すべきか?
1981年5月31日以前に建築確認を受けた建物は、旧耐震基準で建てられています。旧耐震基準の建物は、大地震で倒壊するリスクが高く、買主が住宅ローンを組む際に銀行が融資を渋ることがあります。
買主視点での問題:
| 問題点 | 内容 |
|---|---|
| 住宅ローンが組みにくい | 金融機関が「担保価値が低い」と判断し、融資額を減らす、または融資を断る |
| 耐震診断・改修費用 | 耐震診断:10万円〜30万円 耐震改修:100万円〜300万円以上 |
| 地震保険料が高い | 旧耐震基準の建物は、地震保険料が新耐震基準の2倍以上 |
| 資産価値の下落 | 築年数が古いほど、建物評価はゼロに近づく |
売主視点での戦略:
旧耐震基準の建物を残したまま売却すると、買主は「建物価値ゼロ+解体費用の値引き」を要求します。例えば、土地価格1,000万円の場合、「建物を壊す費用200万円を引いて、800万円で売ってください」と交渉されます。
しかし、売主が事前に解体して更地にすれば、「解体費用の値引き交渉を回避」でき、さらに「新築を建てたい買主」が購入希望者として現れるため、売却価格が上がり、早期売却が実現します。
さんぜろ不動産の実績:
岡山市南区の旧耐震基準(築45年)の木造住宅を、古家付きで6ヶ月間売り出しましたが、反響はゼロ。解体して更地にしたところ、1ヶ月で売却成立。解体費用280万円を差し引いても、解体前と比較して約120万円の利益増になりました。
なぜ解体すべきか?
木造住宅は、税法上の法定耐用年数が22年です。築20年を超えると、建物の評価額はほぼゼロになります。つまり、建物に資産価値がない状態です。
買主視点での問題:
| 問題点 | 内容 |
|---|---|
| リフォーム費用が高額 | 水回り(キッチン・風呂・トイレ):150万円〜300万円 外壁・屋根:100万円〜200万円 給排水管・電気配線:50万円〜100万円 合計:300万円〜600万円 |
| 見えないリスク | シロアリ被害、雨漏り、基礎のひび割れなど、購入後に発覚 |
| 住宅ローン控除が使えない | 築25年を超える木造住宅は、耐震基準適合証明書がないと控除が受けられない |
売主視点での戦略:
築25年以上の木造住宅を残したまま売却すると、買主は「リフォーム費用300万円〜600万円」を見込んで、大幅な値引きを要求します。しかし、売主が事前に解体すれば、「リフォーム費用の値引き交渉を回避」でき、「土地の価格で勝負」できます。
さらに、更地にすることで、「新築を建てたい若い世代」が購入希望者として現れ、競争が生まれるため、売却価格が上がります。
さんぜろ不動産の実績:
岡山市北区の築50年の木造平屋(35坪)を、古家付きで3ヶ月間売り出しましたが、内覧希望者さえ現れませんでした。解体して更地にしたところ、2週間で若い夫婦から購入希望が入り、売却価格1,500万円で成約。解体費用210万円を差し引いても、早期売却で固定資産税・管理費を大幅削減できました。
なぜ解体すべきか?
好立地(駅近、学区が良い、商業施設が近い)なのに、古い平屋や狭小住宅が建っている場合、「土地の需要」と「建物の状態」がミスマッチしています。
買主視点での問題:
| 問題点 | 内容 |
|---|---|
| 新築を建てたい買主が多い | 好立地の土地は、新築を建てたい若い世代や、建て替えを考えている家族が購入希望者 |
| 古家が邪魔になる | 建物を残したまま売ると、買主は「解体費用を値引きしてほしい」と交渉 |
| 売却期間が長引く | 「古家付き土地」として売ると、購入希望者が限定される |
売主視点での戦略:
好立地の土地は、更地にすることで、購入希望者が一気に増えます。新築を建てたい若い世代、建て替えを考えている家族、投資用にアパートを建てたい事業者など、多様な買主が現れます。
競争が生まれることで、売却価格が上がり、値引き交渉を受けにくくなります。
さんぜろ不動産の実績:
岡山市中区の駅徒歩5分の好立地に、築40年の木造平屋(30坪)が建っていました。古家付きで800万円で売り出しましたが、6ヶ月間売れませんでした。解体して更地にしたところ、1ヶ月で3組の購入希望者が現れ、競争入札の結果、1,250万円で売却成立。解体費用180万円を差し引いても、解体前と比較して約270万円の利益増になりました。
物件概要:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 岡山市南区 |
| 建物 | 築40年の木造2階建て、4LDK、45坪 |
| 状態 | 相続後3年間放置、雑草が繁茂、ハクビシンが住み着く、近隣から苦情 |
| 相続人 | 兄弟3人(長男・次男・長女)、全員が県外在住 |
売却の経緯:
Bさん(長男)は、親が亡くなった後、実家を相続しましたが、県外在住のため管理ができず、3年間放置していました。その間、雑草が繁茂し、ハクビシンが住み着き、近隣から「何とかしてほしい」と苦情が入りました。
Bさんは「親の家を壊すのは忍びない」と思い、古家付き土地として売却することを決意。地元の不動産会社に依頼し、査定価格800万円で売り出しました。
古家付き土地として売り出し:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 査定価格 | 800万円 |
| 売却期間 | 6ヶ月間 |
| 内覧希望者 | 2組のみ(うち1組は「解体費用を値引きしてほしい」と交渉) |
| 問題点 | ・建物が古く、購入希望者が「リフォーム費用がかかる」と敬遠 ・雑草・害獣の問題が内覧時に発覚し、印象が悪い ・「解体費用を値引きしてほしい」という交渉が入る |
さんぜろ不動産に相談:
6ヶ月経っても売れず、Bさんはさんぜろ不動産に相談しました。私たちは現地調査を行い、以下のアドバイスをしました:
「古家付きで売ると、購入希望者は『建物を壊す費用280万円を値引きしてほしい』と交渉してきます。しかし、売主が事前に解体すれば、値引き交渉を回避でき、さらに更地にすることで購入希望者が増え、売却価格が上がります。解体費用280万円を投資しても、最終的にプラスになる可能性が高くなります」
解体後、更地として再販:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解体費用 | 約280万円(45坪×6万円/坪+ブロック塀・庭木・浄化槽の撤去) |
| 整地 | 真砂土整地(20万円) |
| 再査定価格 | 1,200万円 |
| 売却期間 | 1ヶ月 |
| 購入希望者 | 5組(うち3組が新築を建てたい若い世代) |
結果:
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 1,200万円 |
| 解体費用 | −280万円 |
| 整地費用 | −20万円 |
| 手取り額 | 900万円 |
| 古家付きで売った場合の想定 | 800万円−値引き交渉(50万円)=750万円 |
| 利益増 | 約150万円 |
さらに、早期売却により、以下の費用も削減できました:
Bさんのコメント:
「最初は、親の家を壊すことに抵抗がありました。でも、さんぜろ不動産の日下さんが、『お父さんも、近隣に迷惑をかけることは望まないはずです。そして、兄弟3人が納得できる売却を実現することが、一番の供養になります』と言ってくださり、決心がつきました。解体後、1ヶ月で売却できたときは、本当にホッとしました。値引き交渉もなく、買主さんも『新築を建てるのが楽しみです』と喜んでくださり、気持ちよい取引ができました」
物件概要:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 岡山市中区、駅徒歩5分の好立地 |
| 建物 | 築40年の木造平屋、3LDK、30坪 |
| 状態 | 建物は老朽化しているが、立地は非常に良い |
| 所有者 | Dさん(60代、自営業)、建て替えを検討していたが、体調不良で売却を決意 |
売却の経緯:
Dさんは、駅近の好立地に実家を所有していましたが、建物が古く、建て替えを検討していました。しかし、体調を崩し、建て替える気力がなくなったため、売却を決意しました。
地元の不動産会社に依頼し、古家付き土地として売り出しましたが、3ヶ月間、内覧希望者さえ現れませんでした。
古家付き土地として売り出し:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 査定価格 | 800万円 |
| 売却期間 | 3ヶ月間 |
| 内覧希望者 | 0組 |
| 問題点 | ・建物が古く、内覧希望者が「リフォーム費用がかかる」と敬遠 ・好立地なのに、建物が邪魔をして購入希望者が現れない |
さんぜろ不動産に相談:
Dさんから、さんぜろ不動産に相談があり、現地調査を行って以下のアドバイスをしました。
「この土地は、駅徒歩5分という好立地です。新築を建てたい若い世代や、建て替えを考えている家族が、購入希望者として多数いるはずです。しかし、古家が建っていることで、『解体費用がかかる』と敬遠されています。売主が事前に解体すれば、購入希望者が一気に増え、競争が生まれます。その結果、売却価格が上がり、早期売却が実現します」
解体後、更地として再販:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解体費用 | 約180万円(30坪×6万円/坪) |
| 整地 | 真砂土整地(15万円) |
| 再査定価格 | 1,250万円 |
| 売却期間 | 1ヶ月 |
| 購入希望者 | 5組(うち3組が新築を建てたい若い世代、2組が建て替えを考えている家族) |
| 競争入札 | 3組が購入希望を表明し、競争入札の結果、1,250万円で売却成立 |
結果:
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売却価格 | 1,250万円 |
| 解体費用 | −180万円 |
| 整地費用 | −15万円 |
| 手取り額 | 1,055万円 |
| 古家付きで売った場合の想定 | 800万円−値引き交渉(50万円)=750万円 |
| 利益増 | 約305万円 |
Dさんのコメント:
「最初は、『古家付きでも売れるだろう』と思っていましたが、3ヶ月間、内覧希望者さえ現れませんでした。さんぜろ不動産の日下さんに相談したところ、『この土地は、更地にすれば一気に売れます』と言われ、半信半疑でしたが、解体を決意しました。結果、1ヶ月で5組の購入希望者が現れ、競争入札で1,250万円で売却できました。解体費用を差し引いても、古家付きで売るより300万円以上プラスになり、本当に驚きました」
「解体費用がもったいない」「いつか売れるだろう」と考えて、古い家や空き家を放置すると、以下のような深刻なリスクが発生します。
何が起きるのか?
空き家は、「管理されていない」「誰も住んでいない」と見なされ、不審者の侵入、不法占拠、盗難、放火の標的になります。近隣住民からの苦情が行政に届くと、特定空家に指定される可能性があります。
特定空家に指定されると:
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ①助言・指導 | 市町村から「適正に管理してください」という助言 |
| ②勧告 | 助言に従わない場合、勧告が出される 固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が最大6倍に増額 |
| ③命令 | 勧告に従わない場合、命令が出される 命令違反で50万円以下の過料 |
| ④行政代執行 | 命令に従わない場合、行政が強制的に解体 解体費用は通常の2〜3倍を請求される |
実例:
岡山県内で、空き家が不審者の侵入口となり、近隣住民から苦情が入りました。所有者は県外在住で管理ができず、市から勧告を受けました。勧告を無視したため、固定資産税が年間8万円から48万円(6倍)に増額されました。
何が起きるのか?
総務省消防庁のデータでは、空き家の火災件数は年間約1,500件。空き家は、放火犯の標的になりやすく、また電気配線の劣化や、雑草への飛び火で失火することもあります。
隣家に延焼した場合、所有者に数千万円の損害賠償責任が発生します。
法的責任:
| 責任の種類 | 内容 |
|---|---|
| 民事責任 | 隣家の建物・家財の損害を賠償 相場:建物1,000万円〜3,000万円、家財500万円〜1,000万円 |
| 刑事責任 | 重過失失火罪(刑法117条の2) 罰則:50万円以下の罰金 |
実例:岡山県内の空き家火災
岡山県内で、空き家からの出火が隣家に延焼しました。出火原因は、電気配線の劣化によるショートでした。所有者は、隣家の建物・家財の損害賠償として約2,300万円の賠償命令を受けました。
所有者は「空き家だから火災保険に入っていなかった」ため、全額を自己負担することになり、自宅を売却して賠償金を支払いました。
さんぜろ不動産のサポート:
空き家を放置すると、火災保険料が高額になる、または保険会社が引き受けを拒否することがあります。さんぜろ不動産では、空き家の早期売却をサポートし、火災リスクを回避します。
何が起きるのか?
老朽化した建物が倒壊し、通行人にケガをさせた場合、所有者に民事・刑事責任が発生します。
法的責任:
| 責任の種類 | 内容 |
|---|---|
| 民事責任 | 通行人のケガ・死亡の損害賠償 ケガ:数百万円〜数千万円 死亡:数千万円〜1億円以上 |
| 刑事責任 | 業務上過失致死傷罪(刑法211条) 罰則:5年以下の懲役または100万円以下の罰金 |
| 行政責任 | 特定空家に指定され、固定資産税が最大6倍に増額 行政代執行で強制解体され、費用は通常の2〜3倍を請求 |
実例:固定資産税6倍の衝撃
岡山市内のCさんは、相続した実家を5年間放置していました。建物は老朽化し、屋根が崩れ落ち、近隣住民から「危険だ」と苦情が入りました。
市から勧告を受けましたが、Cさんは県外在住で対応できず、勧告を無視しました。その結果、固定資産税が年間8万円から48万円(6倍)に増額されました。
さらに、市から命令が出され、「1ヶ月以内に解体しなければ、行政代執行を実施する」と通告されました。Cさんは慌てて解体業者を探しましたが、急ぎのため割高な業者に依頼せざるを得ず、解体費用は当初見積もりより80万円増加しました。
さんぜろ不動産のサポート:
特定空家に指定される前に、早期売却をサポートします。勧告を受けた場合でも、解体から売却まで迅速に対応し、固定資産税6倍のペナルティを回避します。
何が起きるのか?
空き家には、ネズミ、ハクビシン、アライグマ、コウモリ、シロアリ、ゴキブリなどが住み着きます。これらの害獣・害虫は、近隣に被害を拡大させ、所有者が損害賠償を請求されることがあります。
害獣・害虫の被害:
| 害獣・害虫 | 被害内容 | 駆除費用 |
|---|---|---|
| ネズミ | 電線をかじり、停電・火災の原因に | 5万円〜15万円 |
| ハクビシン・アライグマ | 天井裏に住み着き、糞尿で悪臭・天井の腐食 | 10万円〜30万円 |
| コウモリ | 糞尿で悪臭、感染症のリスク | 5万円〜20万円 |
| シロアリ | 建物の柱・床を食い荒らし、倒壊の危険 | 30万円〜200万円以上 |
| ゴキブリ・ダニ | 近隣に拡散し、衛生問題 | 3万円〜10万円 |
実例:シロアリ被害で200万円の損失
岡山市内のEさんは、相続した実家を3年間放置していました。建物内にシロアリが繁殖し、柱・床・基礎が食い荒らされました。
Eさんは「古家付き土地」として売却しようとしましたが、買主が建物調査を行ったところ、シロアリ被害が発覚。買主から「建物を解体してから引き渡してほしい」と要求されました。
解体業者に見積もりを依頼したところ、シロアリ被害で構造が脆弱になっており、解体費用が通常より50万円増加しました。
さんぜろ不動産のサポート:
空き家を放置する前に、早期売却をサポートします。害獣・害虫が発生した場合でも、提携の駆除業者を紹介し、適正価格で対応します。
何が起きるのか?
放置された庭木が隣地に越境し、枝が隣家の屋根を傷つける、落ち葉が雨どいを詰まらせる、根が隣地の配管を破損させるなど、近隣トラブルが発生します。
法的責任:
| トラブル内容 | 法的責任 |
|---|---|
| 枝の越境 | 民法233条:隣地所有者は、越境した枝の切除を請求できる 所有者が切除しない場合、隣地所有者が自ら切除し、費用を請求できる(2023年4月施行) |
| 根の越境 | 民法233条:隣地所有者は、越境した根を自ら切除できる |
| 落ち葉による損害 | 民法709条:不法行為責任 雨どいの詰まり、屋根の破損などの損害を賠償 |
費用の目安:
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 草刈り(年3回) | 年間3万円〜5万円 |
| 庭木の剪定 | 1本あたり3万円〜10万円 |
| 庭木の伐採 | 1本あたり5万円〜30万円 |
| 根の撤去 | 10万円〜50万円 |
実例:近隣トラブルで売却が白紙に
岡山市内のFさんは、相続した実家を5年間放置していました。庭木が成長し、隣地に越境していましたが、Fさんは県外在住で気づきませんでした。
Fさんが実家を売却しようとしたところ、隣人から「越境した枝を切ってほしい」と要求されました。Fさんは造園業者に依頼し、剪定費用として15万円を支払いました。
さらに、隣人から「落ち葉で雨どいが詰まり、雨漏りが発生した。修理費用を負担してほしい」と請求され、修理費用として8万円を支払いました。
この近隣トラブルが尾を引き、買主が「近隣関係が悪いなら購入したくない」と購入を取り止め、売却が白紙になりました。
さんぜろ不動産のサポート:
空き家を放置する前に、早期売却をサポートします。雑草・樹木の越境が発生している場合でも、提携の造園業者を紹介し、適正価格で対応します。また、近隣との関係修復もサポートし、買主が安心して購入できる環境を整えます。
何が起きるのか?
空き家の劣化は年々加速します。特に、雨漏り、シロアリ被害、カビ、悪臭が進むと、解体費用が増大し、土地の評価額も下がります。
劣化の進行スピード:
| 年数 | 劣化の状態 | 解体費用の増加 | 土地評価額の下落 |
|---|---|---|---|
| 1年目 | 雨漏り開始、カビ発生 | +0円 | −10万円 |
| 2年目 | 床の腐食、悪臭発生 | +10万円 | −30万円 |
| 3年目 | 柱の腐食、シロアリ発生 | +30万円 | −50万円 |
| 4年目 | 構造が脆弱化、倒壊の危険 | +50万円 | −80万円 |
| 5年目 | 特定空家に指定、行政代執行の危険 | +80万円以上 | −150万円以上 |
実例:5年間の放置で650万円まで下落
岡山市内のGさんは、相続した実家(当初の土地評価額800万円)を5年間放置しました。その間、以下の変化が起きました:
| 年数 | 状況 | 解体費用の増加 | 土地評価額 |
|---|---|---|---|
| 相続時 | 建物は古いが、まだ住める状態 | 200万円 | 800万円 |
| 1年後 | 雨漏り開始、カビ発生 | 200万円 | 790万円 |
| 2年後 | 床の腐食、悪臭発生 | 210万円 | 770万円 |
| 3年後 | 柱の腐食、シロアリ発生 | 230万円 | 750万円 |
| 4年後 | 構造が脆弱化、倒壊の危険 | 250万円 | 720万円 |
| 5年後 | 特定空家に指定、固定資産税6倍 | 280万円 | 650万円 |
5年間の損失:
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 土地評価額の下落 | 800万円 → 650万円(−150万円) |
| 解体費用の増加 | 200万円 → 280万円(+80万円) |
| 固定資産税の増加 | 8万円/年 → 48万円/年(+40万円/年) |
| 草刈り費用(年3回×5年) | 15万円 |
| 合計損失 | −150万円(土地)+80万円(解体)+200万円(固定資産税)+15万円(草刈り)=445万円 |
Gさんのコメント:
「『いつか売れるだろう』と思って5年間放置していましたが、その間に固定資産税は6倍になり、解体費用も80万円増えました。土地の評価額も150万円下がり、結局、相続時に売却していれば手に入った金額より、400万円以上少なくなりました。本当に後悔しています」
さんぜろ不動産のサポート:
空き家を放置する前に、早期売却をサポートします。相続後、できるだけ早く売却することで、固定資産税・管理費・解体費用の増加を抑え、資産価値の下落を防ぎます。
すべての古家を解体すべきではありません。以下の4つの条件に当てはまる場合は、「古家付き土地」として売却する方が有利です。ただし、それぞれに落とし穴があるため、注意が必要です。
どういうケースか?
接道義務(建築基準法第43条)を満たしていない土地は、解体すると新たに建物を建てられません。接道義務とは、「建築物の敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」というルールです。
古家を残すべき理由:
再建築不可の土地を更地にすると、購入希望者が激減します。なぜなら、買主は「建物を建てられない土地」を購入するメリットがないからです。しかし、古家を残せば、「リフォームして住む」「賃貸に出す」という選択肢があり、購入希望者が現れる可能性があります。
落とし穴:
| 落とし穴 | 内容 |
|---|---|
| ①買主が限定される | 再建築不可の土地を購入するのは、リフォーム業者、賃貸経営者、隣地所有者など、限られた買主のみ |
| ②売却価格が低い | 再建築不可の土地は、通常の土地より30%〜50%安くなる |
| ③住宅ローンが組みにくい | 金融機関が「担保価値が低い」と判断し、融資を断ることが多い |
さんぜろ不動産のサポート:
再建築不可の土地でも、隣地所有者に「隣地と一体化して、再建築可能にする」ことを提案したり、リフォーム業者に「賃貸経営の収益シミュレーション」を提示したりすることで、売却価格を最大化します。
どういうケースか?
古民家カフェ、ゲストハウス、シェアハウスなど、リノベーション人気のある地域では、古家に価値がある場合があります。
古家を残すべき理由:
リノベーション需要のあるエリアでは、「古い建物の雰囲気を活かしたい」という買主が存在します。特に、梁や柱が立派な古民家、趣のある日本家屋は、リノベーション業者や、カフェ・ゲストハウスを経営したい個人が購入希望者として現れます。
落とし穴:
| 落とし穴 | 内容 |
|---|---|
| ①リノベーション費用が高額 | 古民家のリノベーション費用は、500万円〜2,000万円以上かかることが多い |
| ②買主が限定される | リノベーション業者、カフェ経営者など、限られた買主のみ |
| ③売却期間が長い | リノベーション需要は限定的なため、売却に6ヶ月〜1年以上かかることも |
さんぜろ不動産のサポート:
リノベーション需要のあるエリアでは、古民家専門の不動産ポータルサイト、リノベーション業者、カフェ経営者などに直接アプローチし、購入希望者を開拓します。また、「リノベーション後の収益シミュレーション」を提示し、買主の購入意欲を高めます。
どういうケースか?
買主が決まっており、「古家のまま購入したい」という希望がある場合は、解体不要です。
古家を残すべき理由:
買主が「古家のまま購入したい」と言っている場合、売主が解体すると、買主の購入意欲が下がる可能性があります。例えば、買主が「自分で解体業者を選びたい」「解体のタイミングを自分で決めたい」と考えている場合、売主が勝手に解体すると、買主が購入を取り止めることがあります。
落とし穴:
| 落とし穴 | 内容 |
|---|---|
| ①買主が契約を破棄するリスク | 「古家のまま購入する」と言っていた買主が、契約直前に「やっぱり解体してほしい」と要求することがある |
| ②値引き交渉のリスク | 買主が「解体費用を値引きしてほしい」と交渉してくることがある |
さんぜろ不動産のサポート:
買主が「古家のまま購入したい」と言っている場合でも、契約書に「解体は買主が行う」「解体費用は買主が負担する」と明記し、後日のトラブルを防ぎます。
どういうケースか?
更地にすると固定資産税が最大6倍になります。そのため、「数ヶ月以内に売却できる見込みがある場合」は、古家を残したまま売却活動を行い、買主が決まった時点で解体する戦略もあります。
古家を残すべき理由:
固定資産税の住宅用地特例(200㎡以下の部分は1/6、200㎡超の部分は1/3に減額)を維持するため、古家を残したまま売却活動を行います。買主が決まった時点で解体すれば、固定資産税の増額期間を最小限に抑えられます。
落とし穴:
| 落とし穴 | 内容 |
|---|---|
| ①売却期間が長引くリスク | 古家付きで売ると、購入希望者が限定され、売却期間が長引くことが多い その結果、固定資産税の削減効果が帳消しになる |
| ②買主からの値引き交渉 | 買主が「解体費用を値引きしてほしい」と交渉してくることが多い その結果、古家を残すメリットがなくなる |
| ③固定資産税6倍のリスク | 売却期間が長引き、固定資産税の課税基準日(1月1日)を超えると、更地と同じ税額(6倍)を請求される |
さんぜろ不動産の戦略:
固定資産税の負担を避けたい場合でも、「短期決戦」が大前提です。私たちは、以下の戦略で、早期売却を実現します:
| 戦略 | 内容 |
|---|---|
| ①市場調査 | 「古家付き土地」として売却した場合の、売却期間・売却価格を事前に調査 |
| ②価格設定 | 「3ヶ月以内に売却できる価格」を設定(欲張らない) |
| ③広告戦略 | 古家付き土地を探している買主(リフォーム業者、賃貸経営者、隣地所有者)に直接アプローチ |
| ④期限設定 | 「3ヶ月以内に売れなければ、解体して更地にする」という期限を設定 |
さんぜろ不動産では、単に「物件を売る」だけではなく、「売主のリスクを最小化しながら、買主に気持ちよく購入していただける状態を作り上げる」ことを最優先にしています。
その結果、物件価値が最大化し、値引き交渉を抑えながら高値売却が実現します。
何をするのか?
解体前に、「買主が新築を建てる際に困ることはないか?」を徹底的にチェックします。
| チェック項目 | 内容 | 売主のメリット |
|---|---|---|
| ①境界線の確定 | 測量を行い、境界標を設置 | 買主が「境界の確認ができて」購入判断の支障にならない |
| ②地中埋設物の撤去 | 最低地中50cmまで掘削し、埋設物を撤去 | 買主から新築工事中に「地中埋設物が出た」と損害賠償請求されない |
| ③整地の品質 | 真砂土整地で、見た目・水はけ・雑草対策 | 土地が泥濘みにくく、凸凹していないため、買主が敷地に足を踏み入れやすく安心できる |
| ④レベル調整 | 道路より15〜30cm高く、水勾配1〜2% | 近隣から「泥水が流れる」などのクレームを受けない |
結果:
買主が「この土地なら安心して新築を建てられる」と感じ、値引き交渉を受けにくくなります。
何をするのか?
契約書に、以下の条項を明記し、売主のリスクを最小化します。
| 条項 | 内容 | 売主のメリット |
|---|---|---|
| ①地中埋設物の免責特約 | 「地中埋設物については、売主の知る限り存在しない。万一発見された場合でも、売主は責任を負わない」 | 地中埋設物が発見されても、損害賠償請求されない |
| ②解体時の記録 | 「解体時に、基礎は地中○mまで撤去済みであることを写真で記録」 | 「基礎を撤去していない」というクレームを受けない |
| ③引き渡し後の免責 | 「引き渡し後に発見された瑕疵については、売主は責任を負わない」 | 地下産業廃棄物や土壌汚染などの調査はしていないことを明記し、リスク回避 |
注意:
たとえ「契約不適合責任免責」の特約を結んでいても、売主様が地中埋設物の存在を知っていて伝えなかった場合(悪意)、その責任を免れることはできません。 だからこそ、解体時の入念なチェックが不可欠です。 「地中に埋設物はない」と確認した上で、契約時の「物件状況等報告書」に自信を持って「埋設物なし」と記載できる根拠を作っておくことが、後々のトラブル回避につながります。
何をするのか?
解体業者に、マニフェスト(産業廃棄物管理票)の発行を義務付け、E票(最終処分完了証明)を必ず受け取ります。
売主のメリット:
| メリット | 内容 |
|---|---|
| ①不法投棄のリスク回避 | 解体業者が不法投棄を行っても、売主はE票を持っていれば、「適正に処理した」ことを証明できる |
| ②買主への安心感 | 買主に「マニフェストのコピー」を渡すことで、「この土地は適正に処理されている」という安心感を与える |
何をするのか?
岡山市の補助金制度の申請をサポートします。
売主のメリット:
| メリット | 内容 |
|---|---|
| ①解体費用の削減 | 解体費用280万円のうち、50万円が補助され、実質230万円で済む |
| ②申請手続きの代行 | さんぜろ不動産が、申請書類の作成・提出を代行し、売主の手間を削減 |
何をするのか?
親族間で意見が対立している場合、第三者(さんぜろ不動産)が同席し、客観的なデータを提示しながら、全員が納得できる方向を探ります。
売主のメリット:
| メリット | 内容 |
|---|---|
| ①感情的な対立を回避 | 親族だけで話し合うと、感情的になりやすいが、第三者が同席することで、冷静に判断できる |
| ②客観的なデータで説得 | 「古家付きで1年待つと750万円、解体して2ヶ月で売却すると920万円」という数字を提示し、全員が納得 |
| ③売却後の関係維持 | 全員が納得して売却することで、売却後も良好な関係を維持できる |
解体すべきか、古家付きで売るべきか。
この判断は、建物の状態、立地の需要、市場の動向、相続人の状況によって異なります。
さんぜろ不動産では、以下のサポートを無料で提供しています:
| サポート内容 | 詳細 |
|---|---|
| ①現地調査・建物診断 | 建物の状態(築年数、構造、劣化状況)、立地の需要(駅距離、学区、周辺環境)を調査 |
| ②解体した場合の費用見積もり | 提携の解体業者から、適正価格の見積もりを取得 |
| ③古家付き・更地、それぞれの売却価格査定 | 古家付きで売った場合、更地にして売った場合の、売却価格・売却期間を査定 |
| ④客観的なアドバイス(売却戦略の提案) | 「古家付きで売るべきか、解体すべきか」を、感情と数字のバランスを取りながら提案 |
| ⑤補助金申請のサポート | 岡山市の補助金制度(最大50万円)の申請書類作成・提出を代行 |
| ⑥親族間調整の同席 | 親族間で意見が対立している場合、第三者として同席し、客観的なデータを提示 |
「解体すべきか」の判断は、感情だけでも、数字だけでも決められません。
私たちは、あなたの「ココロの整理」もサポートします。
次のステップは、「解体前に絶対確認すべき5つのポイント」を知ることです。
A. はい。住宅用地の特例が外れるため、更地にすると固定資産税が最大6倍に増額します。ただし、早期売却できれば税負担は最小限に抑えられます。さんぜろ不動産では、解体から売却まで、平均2〜4ヶ月でスピード売却を実現しています。
A. 再建築不可の土地、リノベーション需要のあるエリア、すぐに買主が決まる場合は、古家付きで売る方が有利です。ただし、それぞれに落とし穴があるため、プロに相談することを強く推奨します。
A. 岡山エリアの木造住宅の場合、5万円〜8万円/坪が相場です。30坪で150万円〜240万円、40坪で200万円〜320万円が目安です。ただし、アスベスト撤去、地中埋設物の撤去、付帯工事(ブロック塀、庭木、浄化槽)が必要な場合、追加費用が発生します。詳しくは第3回で解説します。
A. 売主が「地中埋設物はない」と説明していた場合、買主から損害賠償請求される可能性があります。ただし、解体時に基礎を地中1m以上まで完全撤去し、契約書に「売主の知る限り地中埋設物はない」と明記することで、リスクを最小化できます。詳しくは第4回で解説します。
A. 親族だけで話し合うと、感情的になりやすいため、第三者(専門家)を交えて、客観的なデータを提示することを推奨します。さんぜろ不動産では、親族間調整に無料で同席し、全員が納得できる売却戦略を提案します。詳しくは第5回で解説します。
次回のテーマ
✅ 解体業者の紹介:信頼できる解体業者を紹介
✅ 境界確定・測量:土地家屋調査士と連携し、境界トラブルを防止
✅ アスベスト調査:2025年法改正に対応した専門業者を手配(マニフェスト確認代行)
✅ 地中埋設物の確認:解体業者と連携し、売却後のトラブルを防止
✅ 真砂土整地の手配:物件価値を最大化
✅ 補助金申請サポート:補助金の申請代行
✅ 不用品処分:遺品整理士との連携や適正処分・買取までサポート
✅ 親族間調整:相続の専門家と連携し、親族間の合意形成をサポート
✅ 売却戦略:「売主リスク最小化×買主満足度最大化」の売却戦略を提案
無料相談・無料査定を受け付けています。
このシリーズの内容を、音声でさらに詳しく解説しています。
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